東京外国語大学ラグビー部

　はじめまして。ロシア科一年・前田祐作です。
　高校のときは生徒会執行部に所属し、学内イベントの運営や書類整理などを行っていました。机に向かって何時間も作業をするわりとハードな経験を積んでいますが、それはあくまで頭脳労働であり、ボールを抱えてグラウンドを駆けずりぶつかり合うラグビー部のそれとは求められるものがぜんぜん違いました。
　もともと虚弱体質で、中学でもほとんど帰宅部だった僕には運動部経験がありません。自分で自分を追い込む筋トレや飯トレ、雨の日も奇声を上げつつボールを追いかけて泥の水たまりに飛び込むようなことには全くなじみがなく、戸惑うことばかりです。初めて雨の練習に参加したときは前が見えず腕の感覚がなくなり、ボールを蹴った次の日には右足の付け根が上がらなくなりました。
　運動部が持つ独特の上下関係・厳しい規律にも不慣れでいつもどこか抜けているため、先輩方には叱られ同期には迷惑をかける毎日です。肉体面だけでなく精神面においてもラグビー部のみんなとの違いを思い知らされます。どっちかと言えば(どっちかと言わなくても)一日の時間をぼんやりと過ごすことの多い僕は、練習後も遊びに行こうとする活発さや、とりわけ人間関係の点で同期の立ち回りに感心したりします。
　ラグビー部と関わりを持ってからはや経とうとするこの二か月は、僕にとって驚きと新鮮さに充実していました。そしてこれからもそうであることは間違いありません。勉強の知識ばかり詰め込んでいた頭に新たに加わることになるスポーツという分野のそれ、ラグビー部としての肉体的、精神的な様々の経験が僕の中でどんなかたちで昇華されていくのか自分でも分かりません。誰が見ても貧弱な体をしている僕に「四年後が楽しみだ」と周りの人たちは言ってくれますが、いろいろな面で鍛え上げられたあとの僕がどんな僕になっているのか自分でも楽しみです。
　さて僕がいちおう目指しているポジションはスクラムハーフです。肉体に恵まれないから、という消極的理由が始まりでしたが今は、自分がいちばん状況を把握してゲームを動かしたいという気持ちです。そのためにパスやキックが誰にも負けないくらい上手になりたいです。……せいほうにキックで勝てるようになるのは不可能に近いですが。とりあえず今はせめてまともな水準に体重を上げるべく筋トレと飯トレに励んでいます。次のリレーの三宅海羅くんにも、自分がどんなポジションでどんな選手になりたいのか聞いてみようかな。
　長くなりましたがここで終わりにします。ありがとうございました。