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リレー日記

へこんだら弾む

投稿日時:2018/12/12(水) 15:26

リレー日記をご覧の皆様、こんにちは。







先日酔っぱらった勢いで某特撮シリーズの変身ポーズを真似て携帯の充電コネクタを壊したスペイン語科4年の伊藤悠希です。とうとう引退日記を書くことになってしまいました。今までのことを振り返りつつ色々と書き綴った結果、非常に長くまとまりのない文章になってしまいました。ご容赦ください。







先日、東京外国語大学は海洋大に敗れ、僕たち4年と6年の引退が決まりました。今年こそは、と意気込み、さらにこのチームでならやれる、とある種の予感めいたものがあったのですが、今年もこの壁を越えることができませんでした。当日越中島にお越しいただいた多くのOB・OGや保護者の方々に、勝利の瞬間をお見せすることができず、悔しい気持ちでいっぱいです。







試合の翌日、ラグビーリパブリックに、



「決勝は3年連続で東京学芸大vs東京海洋大」



という記事が掲載されました。海洋大に焦点が当てられた記事で、外大については、「部史上初めてプレーオフ準決勝に進んだ」事など、簡単な紹介が為されているのみした。勝ったわけではないので当然ではありますが、もしも勝っていたら…と、また悔しい思いが溢れてきました。







振り返ってみると、代替わりをしてはまた一からチームや戦術を立て直すということを繰り返してきた外大ラグビー部に、去年の井出主将の代は、確かな基礎を残してくれました。それを踏まえる形で発足した今期のチームは、主将と副将が二人ともケガで試合に出られない状況から始まり、冬の納会でのOB戦、一橋との練習試合、3月の東工大との練習試合で情けない負け方をしました。特に東工大戦の後、下川さんからは厳しい言葉を頂き、そのことを思い出すと今でも身が引き締まります。



しかし、それでも、春夏と厳しい練習を乗り越え、新たな戦術を組み込み迎えた合宿初戦の東北大戦で、外大ラグビー部のプレーがようやく形になったように感じ、外から見ていて感動しました。結果として、このシーズンでは、2つの定期戦への勝利とチームとして初のプレーオフ準決勝進出という結果を得ることができました。







それでもまだ届かなかった海洋戦での勝利の二文字は、確かに外大のもとへ近づいていると思います。











引退の瞬間、自分は白のジャージを着ることなく、グラウンドの外から声を出しているだけでした。



4年間、僕は本当の意味でのスタメンに選ばれることはありませんでした。怪我をした人の代わりとして、あるいはBチームとしてしか、出場することができませんでした。それは単に僕の実力不足であり、努力不足の結果であったとおもいます。







四年生に上がった際、自分はチームにとって要らないのではないか、チームに貢献することはできないのではないかと考え、気持ちがめいってしまいました。その際、部活の皆には本当に迷惑をかけました。本当に申し訳ありませんでした。







ただ、もう一度ラグビーと向き合い、部活と向き合った結果、自分はコンタクトの面を頑張ろうと決めました。練習や試合中にいいタックルやヒット、スイープを決めることができれば、チームを盛り上げられる。その考えは合宿で明確なイメージとなり、ラグビーノートの森川の「プレーの激しさ」という言葉で言語化することができました。考えや目標を言語化して明確にできるという意味でも、今のラグビーノートは素晴らしい取り組みだと思います。是非これからも続けてください。







自分では意識していた「プレーの激しさ」ですが、それが部活のメンバー全員に届いていたかと問われると微妙な気がします。自分では激しくしているつもりでも、他のプレイヤーの発火まで促せなければそれは意味がありません。そういった意味でも、自分がチームに貢献できた部分というのは微々たるものでした。







ここまで、かなりネガティブな事を書き連ねてしまい申し訳ありません。実際、この4年間のラグビー人生は上手くいかないことが多く、人から見れば評価できないようなものだったかもしれません。







しかし。







タックルを決めた瞬間の手応え。







強いプレイヤーのランを自分の体が止めた時の喜び。







相手のオーバーを上手く剥がせた瞬間。







低いスクラムが組めた瞬間。







そういった成功体験、ラグビーを楽しいと思える瞬間が何よりも嬉しく、何よりも自分自身を支えてきました。







勝てなければ、試合にでられなければ、ただの自己満足かもしれませんが、それでもラグビーは最も激しく、最も達成感があり、最も楽しいスポーツだと思います。







4年間ラグビーができて本当に良かった。







恐らく今、ラグビー関連でも、そうではないことでも、悩み苦しんでいる人がいるかもしれません。







深く思い悩みすぎないで、もう少しポジティブにいきましょう。







今の外大ラグビー部のメンバーは、優れたもの、よく誉められるものを1つは持っていると思います。







そこを自信の源にしてください。







自信をもってプレーしてください。







へこまないで、とは言いません。







ボールが思いっきり弾むためには思いっきりへこむ必要があります。







へこんだら弾んでください。











長々と書いてしまいましたが、厳しくも優しい後輩、温かく接してくれた先輩、つまらないネタにちゃんと反応してくれたみんな、内輪感の激しいフロントロー組、テーピングだけでなくリハビリやタッチフットの笛までやってくれたマネージャー、そして何より、こんな俺を気にかけてくれる同期がいたからこそ、4年間ここまで続けることができました。本当に感謝してもし足りません。ありがとう。オリゴ糖。







ラグビーに、そして、今の外大ラグビー部に出会えたことは本当に幸運でした。







来年の、そしてそれ以降の外大ラグビー部がより良いチームになっていくことを願っています。







本当に今までありがとうございました。



2018.12.12  伊藤悠希

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