リレー日記
入部を迷っている方へ
投稿日時:2018/12/13(木) 13:38
こんにちは。昨年度主将の木和田です。引退リレー日記連載の最後です。
僭越ながら自分が7年間ラグビーをプレーしてみての感想を書きます。
先日夕食の支度をしながらテレビを見ようと思いザッピングしていたところ
Jスポーツで関西大学対近畿大学の試合がやっていました。
おっ、と思いチャンネルを止めしばらく眺めていました。
面白い試合だったのですが、しばらくして「そうだ、もうがんばってラグビーの試合見なくてもいいんだった」というふうな思いが頭に浮かびました。
曲がりなりにもキャプテンをやる身で、ラグビーのことを知らなくてはいけない、
チームになにか持って行かなくてはいけない、という思いで特にこの一年はよく映像を見ていましたが、
それももう必要ないんだと少し拍子抜けしたような気持ちでした。
そこで改めて自分の中で確認できたことなのですが、
僕は決して自分で好き好んでラグビーの試合を見ていたのではなかったのです。
もちろん見ている中でだんだんわかってきて面白いこともありましたが、寸暇を惜しんで、という風に思うわけではなく、どちらかと言えば義務感で見ていたんだということが自分で腑に落ちたような感じがしたのです。
主将だった人間が最後に残す文章として適切なことを言っているのかは分かりません。
ただ、個人的にはここに書いていくことに意味があると思うことを書いています。
出典は忘れてしまったのですが、(フィッツジェラルドだか村上春樹のエッセイだかだった気がする)「人生には自分の向いていないことをする時間も大切だ」という文章を昔どこかで読み、とても共感しました。
そして自分にとってはラグビーがそれでした。
なよなよした自分が浦高のラグビー部に入り、そしてまたこの外大のラグビー部に入り、
そしておそらく人の半分も上達しませんでした。
七年間プレーをさせてもらった結論として、僕はラグビーには向いていませんでした。
しかしラッキーなことにラグビーはそんな「向いていない」僕を綺麗さっぱり見捨てるような度量の狭いスポーツではありませんでした。
僕の体感として、ラグビーはある一定のレベルまでは能力がなくても食らいついていけるし、
そして、きっとどのレベルにおいても、何よりも気持ちが求められるものです。
体をぶつけて、すぐ起き上がって、頑張って喋って、走る。
こんな誰でもできること評価してくれることなんて実はすごく珍しいです。
つまり他のスポーツや芸術の世界以上に向いていない人間が頑張って報われる可能性が高いものなんだと思います。
僕は周りにも恵まれて、十分頑張った甲斐があった思える経験ができました。
そしてその向いてないことを頑張った時間は自分の人生をとても豊かにしてくれたと思います。
おそらく今の現役の皆さんにはこんなことを言ってもあまり意味はないでしょう。
1年間一緒にやってきてみんなラグビーが好きなんだろうと思いました。
特に三年生たちは後輩がラグビーが好きになるように本当に手を尽くしてくれました。ありがとうございます。
きっと来年は今年とは比べられないくらい良いチームに出来ます。頑張ってください。
ただ、もしかしたら何年かして入部を迷ったり、
もしくは入ってはみたもの自分に向いているのか悩んだりしたりする人がいるかもしれません。
そのうちの誰かがこれを読んで、「まあそんなものか」と思ってくれたら嬉しいです。
もし君が向いていなくても、ラグビーは頑張る価値があります。そして結構楽しいです。
大学の四年間を捧げるに値するものですよ。
最後になりますが、外大ラグビー部関係者の皆様、ほんとうにありがとうございました。
皆様のおかげでなんとか1年間チームを運営できました。感謝申し上げます。
特にチームが不安定な中、復帰を決断してくださった六年生の皆さん、そして支えてくれた三年生のみんな、
最後まで一緒に体をぶつけてくれたノブ、ゆうきにはほんとうに感謝しています。ありがとうございました。
来年は自分の(おそらく)向いてることをちゃんと勉強してきます。
いっぱい美味しい料理覚えて帰ってきます。
みんな頑張ってラグビーやってお腹空かして待っててください。
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