リレー日記
感謝
投稿日時:2011/11/23(水) 21:17
こんにちは。ついに最後のリレー日記を書くときがやってきました。ロシア語専攻4年の白木英美がお送りします。
時が経つのは早いもので、気付けば自分も引退していました。
3年前あれだけ辞めたがっていたのに、不思議なもので後悔は一切ありません。いまはラグビーを通して4年間で得たものの大きさを噛み締め、こうして続けて来れたことを誇らしく思います。
ただ、自分がこうしてラグビーを続けてこれたのはひとえに周りの支えがあったおかげで、腐っていたときに見捨てず付き合ってくれた先輩方、辛いときに背中を押してくれた同期のおかげです。この支えがなければ僕の4年間は有りえませんでした。
ここで得たものは自分にとって間違いなく一生の宝です。
最後の日記なので、今まで禁出にしていた1年生のときを振り返ろうかと思います。
冗談かと思われるかもしれませんが、僕は大学に入ったらアカペラをやろうと思っていました。アカペラサークルとハンドボールサークルを兼部して、オレンジデイズで見たような輝きに満ちたキラキラ大学生活を送ろうと期待に胸を躍らせていました。
しかし、大学にあったのはどこか思っていたのとは違うアカペラサークル、そしてハンドボールサークルに関しては部すらないという衝撃の展開で、入学早々途方にくれていた僕にやさしく声をかけたのは、優しそうな笑顔をしたラグビー部の先輩でした(のちに太介さんと判明)。そこで促されるままに行った新歓でその楽しそうな雰囲気に惚れ、来てくれと言われた練習にいけばLOFTの紙袋を持っているだけで鬼のように褒めちぎられる。すっかりラグビー部に惹かれた僕はノリで入部を決めました。
そんな調子で、鳴り物入りのスイーツとして入部してきた僕を待ち受けていたのはTHE・体育会系とも呼べる理不尽の嵐でした。
ルールも分からないのに怒られるし、タックルすれば痛いし、熱があってもラグビーしてれば治るとか言うし。その頃全てに不満を持っていた僕は、ボールを前に投げてはいけないというラグビーの根本的なルールにさえ不満を抱き、ひどい時は先輩に噛み付いたりもしました。あの時もっと素直になれていたら、きっともう一つ上のプレーヤーになれたのかもしれません。あの頃の自分は本当に子供で、誰かに頑張っていることを認めて欲しかったんだと思います。素直になっていれば、1年目の大事な時期にしっかりとラグビーを学ぶことが出来たはずでした。
しかし、そこで腐ったまま終わらなかったのは本当に自分でも良かったと思うし、そんな自分をちゃんとした方向へ導いてくれたのはやはりラグビー部でした。誰かが叱ってくれたり諭してくれたりしなければ、僕は一生腐ったままだったと思います。
気持ちの大きな転機となったのは、2年目の春の東工大戦でした。僕はその試合にセンターとして出て、ボコボコに抜かれました。そのときあまりにも悔しくて涙が出て、初めて自分がチームにとって何もプラスになれていないことに気付いたんです。それからはもうチームの為になりたくて、必死でラグビーをしました。自分のことを見捨てなかった先輩たちに恩返しがしたいと思いました。
その後3年が終わるまでたくさんの試合に出してもらって、色んな相手と戦ってきましたが、気持ちのもとはいつも「恩返しがしたい」という気持ちでした。しかしそこで力になれていたかといえば全くそんなことはなく、確実に足を引っ張ることのほうが多かったです。それゆえ3年目のシーズン終盤は本当に苦しくて、「このまま終わったら俺はどうすればいいんだ・・・」とずっと思っていました。そのまま何も返せずに終わるのだけは嫌でした。
だから、最終戦で海洋大に勝ったときは、本当に夢のようで、「やっと恩返しが出来た」と思ったのを覚えています。間違いなくあれは自分の人生の転帰ともいえる試合で、一生の思い出となる試合です。
その後、自分たちの一つ上の代の先輩方は引退し、自分たちの代がやってきました。
そこから自分の中での考え方が、それまでの「恩返しのためのラグビー」ではなく「自分たちのためのラグビー」となり、同期とともに勝ちたいと思いました。
幸運にも下にはしっかりとついてきてくれる後輩たちがいて、上には力を貸してくれる現役OBの方々がいて、横には支えてくれるマネージャーさんがいて。なにより周りには4年間苦楽を共にした同期がいて。だから、後悔しないよう精一杯このチームと戦おうと決めました。
結果的に僕らはシーズン4勝でプレーオフ一回戦勝利という目標を達成できずに終わってしまったわけですが、3年間一度も勝てていなかったICUと、圧倒的に格上と目された東邦大に勝てたことはとても大きな成長だったと思います。あのときほどの喜びはもう味わえないだろうし、これから自分が生きていく上で大きな自信となった試合でした。そして本当にこの同期とラグビーが出来てよかったと思いました。
ラグビーというのは本当にきついことやる分返ってくるものも大きいスポーツで、僕自身色々なスポーツをやってきましたがその中でも最も「勝つ喜び」を味わえるスポーツだと思います。一体感や献身性、精神力などチームスピリットに必要なものは全てあるし、こんなに熱くなれるスポーツはなかなかありません。僕は個人的に勝ってみんなと抱き合ってるときとヘッキャを上にぶん投げるときが最高に気持ちいい瞬間です。後輩たちにも、自分たちの代で是非この喜びを味わって欲しいです。
僕が後輩たちに伝えたいことが一つあります。
僕の好きな言葉に「苦しいときこそ人間が成長するチャンス」という言葉があります。
いま試合に出れていない人、怪我でなかなか復帰できない人、練習が辛い人、なかなか上達が見えない人、いろいろいると思います。
しかし、それらの苦しみは自分を成長させるための糧であって、決して無駄にはなりません。その苦しみと真摯に向き合って、初めて結果がついてきます。
これから先、何度も辛い局面にぶち当たると思います。そのとき、「自分は今成長しているんだ」と思って頑張ってください。
そしてこの先、必ず自分の人生を左右するような試合が出てきます。その試合で勝利を掴めるかどうかは自分次第です。自分が納得できるだけの努力をしてください。
応援しています。
最後にお世話になった方々にメッセージを書かせていただきます。
OBの皆様へ。
何度もやめそうになった自分を見捨てずにいてくれて本当にありがとうございました。先輩方なくして今の自分はありません。
1年のとき自分が憧れた先輩たちのようになれているかはわかりませんが、これから少しずつでも近づけていけたらなと思います。
本当に長い間お世話になりました。これからもよろしくお願いします。
マネさんへ。
マネージャーほど献身性が必要な仕事は珍しいと思います。外大のマネさんは僕らにとって必要なことを全てカバーしてくれました。
そしていつも味つきドリンクしか受け取らなくてすいません。水を断るたびに嫌な顔一つせずドリンクを持ってきてくれるマネさんにはすごく感謝してました。
チームを支える第一人者となるのは間違いなくマネージャーなので、プレーヤーが思いっきりラグビーをできるよう、精一杯支えてあげてください。
そして同期へ。
プレーヤーは4年間、マネージャーは3年間お疲れ様でした。
最初17人いたのが気付けば13人になってたけど、最後までみんなとラグビーができて良かったです。みんながいなければ絶対部活辞めてたし、試合に勝って一緒に涙を流すこともなかったです。本当にありがとう。
これから卒業する人と、大学に残る人、留学に行く人で散り散りになるけど、またいつか同じチームでラグビーがしたいです。納会が終わってもいつかどこかで。
酒癖悪いやつとかセクハラするやつとか一般論しか言わないやつとか色々いるけど、この同期で本当に良かったです。口には出さないけど本気で感謝してます。
最後に両親へ。
大学に入っても部活をやるというわがままを聞いてくれてありがとう。夏休みに実家に帰れなくても文句を言わず、素直に応援してくれたことはとてもありがたかったです。試合を見に来てくれた日は自然と気持ちが高まりました。
恩はこれから返していくので、卒業するまでまたサポートしてください。
改めて、お世話になった皆様。本当にありがとうございました。
2011年11月23日
白木英美
時が経つのは早いもので、気付けば自分も引退していました。
3年前あれだけ辞めたがっていたのに、不思議なもので後悔は一切ありません。いまはラグビーを通して4年間で得たものの大きさを噛み締め、こうして続けて来れたことを誇らしく思います。
ただ、自分がこうしてラグビーを続けてこれたのはひとえに周りの支えがあったおかげで、腐っていたときに見捨てず付き合ってくれた先輩方、辛いときに背中を押してくれた同期のおかげです。この支えがなければ僕の4年間は有りえませんでした。
ここで得たものは自分にとって間違いなく一生の宝です。
最後の日記なので、今まで禁出にしていた1年生のときを振り返ろうかと思います。
冗談かと思われるかもしれませんが、僕は大学に入ったらアカペラをやろうと思っていました。アカペラサークルとハンドボールサークルを兼部して、オレンジデイズで見たような輝きに満ちたキラキラ大学生活を送ろうと期待に胸を躍らせていました。
しかし、大学にあったのはどこか思っていたのとは違うアカペラサークル、そしてハンドボールサークルに関しては部すらないという衝撃の展開で、入学早々途方にくれていた僕にやさしく声をかけたのは、優しそうな笑顔をしたラグビー部の先輩でした(のちに太介さんと判明)。そこで促されるままに行った新歓でその楽しそうな雰囲気に惚れ、来てくれと言われた練習にいけばLOFTの紙袋を持っているだけで鬼のように褒めちぎられる。すっかりラグビー部に惹かれた僕はノリで入部を決めました。
そんな調子で、鳴り物入りのスイーツとして入部してきた僕を待ち受けていたのはTHE・体育会系とも呼べる理不尽の嵐でした。
ルールも分からないのに怒られるし、タックルすれば痛いし、熱があってもラグビーしてれば治るとか言うし。その頃全てに不満を持っていた僕は、ボールを前に投げてはいけないというラグビーの根本的なルールにさえ不満を抱き、ひどい時は先輩に噛み付いたりもしました。あの時もっと素直になれていたら、きっともう一つ上のプレーヤーになれたのかもしれません。あの頃の自分は本当に子供で、誰かに頑張っていることを認めて欲しかったんだと思います。素直になっていれば、1年目の大事な時期にしっかりとラグビーを学ぶことが出来たはずでした。
しかし、そこで腐ったまま終わらなかったのは本当に自分でも良かったと思うし、そんな自分をちゃんとした方向へ導いてくれたのはやはりラグビー部でした。誰かが叱ってくれたり諭してくれたりしなければ、僕は一生腐ったままだったと思います。
気持ちの大きな転機となったのは、2年目の春の東工大戦でした。僕はその試合にセンターとして出て、ボコボコに抜かれました。そのときあまりにも悔しくて涙が出て、初めて自分がチームにとって何もプラスになれていないことに気付いたんです。それからはもうチームの為になりたくて、必死でラグビーをしました。自分のことを見捨てなかった先輩たちに恩返しがしたいと思いました。
その後3年が終わるまでたくさんの試合に出してもらって、色んな相手と戦ってきましたが、気持ちのもとはいつも「恩返しがしたい」という気持ちでした。しかしそこで力になれていたかといえば全くそんなことはなく、確実に足を引っ張ることのほうが多かったです。それゆえ3年目のシーズン終盤は本当に苦しくて、「このまま終わったら俺はどうすればいいんだ・・・」とずっと思っていました。そのまま何も返せずに終わるのだけは嫌でした。
だから、最終戦で海洋大に勝ったときは、本当に夢のようで、「やっと恩返しが出来た」と思ったのを覚えています。間違いなくあれは自分の人生の転帰ともいえる試合で、一生の思い出となる試合です。
その後、自分たちの一つ上の代の先輩方は引退し、自分たちの代がやってきました。
そこから自分の中での考え方が、それまでの「恩返しのためのラグビー」ではなく「自分たちのためのラグビー」となり、同期とともに勝ちたいと思いました。
幸運にも下にはしっかりとついてきてくれる後輩たちがいて、上には力を貸してくれる現役OBの方々がいて、横には支えてくれるマネージャーさんがいて。なにより周りには4年間苦楽を共にした同期がいて。だから、後悔しないよう精一杯このチームと戦おうと決めました。
結果的に僕らはシーズン4勝でプレーオフ一回戦勝利という目標を達成できずに終わってしまったわけですが、3年間一度も勝てていなかったICUと、圧倒的に格上と目された東邦大に勝てたことはとても大きな成長だったと思います。あのときほどの喜びはもう味わえないだろうし、これから自分が生きていく上で大きな自信となった試合でした。そして本当にこの同期とラグビーが出来てよかったと思いました。
ラグビーというのは本当にきついことやる分返ってくるものも大きいスポーツで、僕自身色々なスポーツをやってきましたがその中でも最も「勝つ喜び」を味わえるスポーツだと思います。一体感や献身性、精神力などチームスピリットに必要なものは全てあるし、こんなに熱くなれるスポーツはなかなかありません。僕は個人的に勝ってみんなと抱き合ってるときとヘッキャを上にぶん投げるときが最高に気持ちいい瞬間です。後輩たちにも、自分たちの代で是非この喜びを味わって欲しいです。
僕が後輩たちに伝えたいことが一つあります。
僕の好きな言葉に「苦しいときこそ人間が成長するチャンス」という言葉があります。
いま試合に出れていない人、怪我でなかなか復帰できない人、練習が辛い人、なかなか上達が見えない人、いろいろいると思います。
しかし、それらの苦しみは自分を成長させるための糧であって、決して無駄にはなりません。その苦しみと真摯に向き合って、初めて結果がついてきます。
これから先、何度も辛い局面にぶち当たると思います。そのとき、「自分は今成長しているんだ」と思って頑張ってください。
そしてこの先、必ず自分の人生を左右するような試合が出てきます。その試合で勝利を掴めるかどうかは自分次第です。自分が納得できるだけの努力をしてください。
応援しています。
最後にお世話になった方々にメッセージを書かせていただきます。
OBの皆様へ。
何度もやめそうになった自分を見捨てずにいてくれて本当にありがとうございました。先輩方なくして今の自分はありません。
1年のとき自分が憧れた先輩たちのようになれているかはわかりませんが、これから少しずつでも近づけていけたらなと思います。
本当に長い間お世話になりました。これからもよろしくお願いします。
マネさんへ。
マネージャーほど献身性が必要な仕事は珍しいと思います。外大のマネさんは僕らにとって必要なことを全てカバーしてくれました。
そしていつも味つきドリンクしか受け取らなくてすいません。水を断るたびに嫌な顔一つせずドリンクを持ってきてくれるマネさんにはすごく感謝してました。
チームを支える第一人者となるのは間違いなくマネージャーなので、プレーヤーが思いっきりラグビーをできるよう、精一杯支えてあげてください。
そして同期へ。
プレーヤーは4年間、マネージャーは3年間お疲れ様でした。
最初17人いたのが気付けば13人になってたけど、最後までみんなとラグビーができて良かったです。みんながいなければ絶対部活辞めてたし、試合に勝って一緒に涙を流すこともなかったです。本当にありがとう。
これから卒業する人と、大学に残る人、留学に行く人で散り散りになるけど、またいつか同じチームでラグビーがしたいです。納会が終わってもいつかどこかで。
酒癖悪いやつとかセクハラするやつとか一般論しか言わないやつとか色々いるけど、この同期で本当に良かったです。口には出さないけど本気で感謝してます。
最後に両親へ。
大学に入っても部活をやるというわがままを聞いてくれてありがとう。夏休みに実家に帰れなくても文句を言わず、素直に応援してくれたことはとてもありがたかったです。試合を見に来てくれた日は自然と気持ちが高まりました。
恩はこれから返していくので、卒業するまでまたサポートしてください。
改めて、お世話になった皆様。本当にありがとうございました。
2011年11月23日
白木英美
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