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リレー日記

居酒屋だけの意気込みじゃゴミだ

投稿日時:2023/03/29(水) 13:18

数々の先輩方のリレー日記や、今年引退する同期先輩のリレー日記を拝見しました。そのような素晴らしい文章、表現には到底及ばない拙い文章になりますが、熱量だけでは負けないように引退リレー日記を更新します。



 



 



 



ラグビー部で過ごした4年間は非常に濃密で、もう二度と戻ることのできないかけがえない青春でした。リレー日記を最後に更新する身ですが、最後は“日記”らしく、人に何かを伝える目的としてではなく、自分の心情や考えをありのままに綴りたいと思います。



 



 



 



現時刻 2023/2/5 10:00



自分はニュージーランド行きの航空機に揺られながら、日記を書いています。復帰組を含めて引退人数(にんずう)が多いので、更新が滞ってサドゥに迷惑をかけないようにといきたいところですが、既に時遅し。引退から1ヶ月半経って、1/3以下の更新率なので、先に謝っておきます。ごめんなさい



 



 



 



 



 



 



 



 



 



 



 



外大に入学が決まった時は、まさか自分が大学4年の冬に初めてパスポートを取得し、卒業ギリギリのタイミングで留学するとは思わなかった。



 



思い描いた大学生活をぶっ壊したのは、考えもしなかった、ラグビー。このスポーツに自分は魅了され、身体も私生活も単位も犠牲にしながら、4年間必死に向き合った。



 



ラグビーに入部したのは、ラグビー部の先輩が本当に良い人で優しくて、ラグビー部の雰囲気が自分にとって心地よかったからだ。最初は、ラグビーなんてひとつも好きじゃなかった。この先輩たちとこの集団に属していたら必ず充実した大学生活になる、そう思った。



 



だから、自分にとってラグビーは、痛いし面倒なもので、先輩と自分を繋ぐ手段でしかなかった。



このように感じていた同期は、多いと思う。未経験者が多く、ラグビーの面白さでなく、先輩の素晴らしさが入部の決め手であったから。



 



 



初めてのガチコンは忘れもしない。



未経験にも関わらず、入部当初から思いっきりぶつかってきたレオと斎藤にしばかれた。



ガチコンの日の夜は、痛みで寝付けなかった。



 



 



 



デビュー戦となった1年生試合も、豪雨の中で何も楽しくなかった。ただ、試合後に同期全員で写真を撮った時は、疲労困憊のなか達成感なのか、野球をしていた頃とは全く違う感情を抱いた。



 



 



一年の夏、ラグビー漬けの合宿を経てラグビーそのものに魅力を感じるようになった。



この頃に感じたラグビーへの想いは今も変わらない。



 



 



身体を張り、フィールドで体力の限り走り続けチームに貢献するという他のスポーツでは味わえない感覚に魅了された。その1,2,3年の時に感じていた、「お世話になった先輩のために」という想いが、徐々に「最高の同期と後輩とともに」と言うふうに変化しただけだ。



 



 



 



 



 



 



 



 



ラグビーに夢中になって、自分の目指すラガーマン像が構築されていった。それは「チームを鼓舞するハードワーカー」。自分の走りが、コンタクトが、チームに勇気を与えるほどのハードワークすることを毎試合心がけた。「あいつがあんだけ頑張ってんだから、俺も!」というふうにチームの士気を高めたかった。そのような選手に近づけたかはわからないが、試合中に「ナイス」と言われるだけでも嬉しかった。



 



 



 



 



現役時代にこだわっていたのは、みんなを納得させ、自分を納得させることだ。それは、プレーで納得させるというこも意味するが、自分が重要視したのは、そのプレーを生み出すまでの過程である。だから、ひたむきに筋トレに取り組み、フィットネスで追い込み、ラグビーを勉強し分析し、試合に臨んだ。



 



 



 



 



試合で活躍したとしても、それが偶然であるような成功では自分にとって成功とは言えなかった。素直にその成功を享受できなかった。



 



 



 



 



自分の代の6.7月までの部の雰囲気は、新歓試合の連勝や国公立戦の惜敗があったものの、自分がその結果に納得できるものではなかった。筋トレや練習態度といった自分が掲げたチーム方針を実行できていなかった。



 



 



 



 



夏オフ中に、自分達の理想とするラグビーを同期と確立し、合宿でどのようにそのラグビーに近づけるか具体的な目標を設定した。



それまでの自分のチーム運営は、頭でっかちであったような気がする。ラグビーの知識や考え方を幹部と共有することはあったが、全体の前ではあまり伝えることはなかった。



この点を、チーム発足当初から実行できなかったことには、後悔している。



 



 



 



 



 



一方で、目指すラグビー像が統一されて、リーグ戦は3連勝を上げることができた。この3戦は部全員で勝ち取った勝利ものだと確信している。また、日々の練習の賜物だと思っている。



後半でも走り負けないフィットネス、整備されたDFラインとPOD、FW•BKともに完成度の高いセットプレー。今振り返っても、最高のラグビーができていたと自信を持って言える。



 



 



 



 



 



一方で、チーム目標だった4部昇格を果たせなかった。理科大には力の違いをみせられた。フィジカルの強化はマストであった。体重や筋トレの重量といった数値にもっとこだわり、チーム全体で取り組むべきであった。チーム全体で取り組むというところをもっと意識するべきだった。ラグビーの特にDFにおいて、一つでもweak pointがあるのとないのとでは天と地の違いだ。



 



 



上田を中心に、今年はフィジカルの強化を図っていると思うが、向上心をもって継続してほしい。一回の筋トレがもたらす効果は微々たるものだが、積み重ねれば必ずシーズンの結果として出る。



 



 



野球部だった反面、素振りは何度してもヒットを打てる確証はないが、



スクワットが160キロ上がるやつが120キロしか上がらないやつに当たり負けるわけがない。



 



 



筋トレは嘘をつかない



 



 



 



 



 



 



 



 



 



 



 



昇格戦の翌日のことだ。



 



 



飲んで試合のことを忘れていた時間が恋しい。



 



今まで目標にしてきた試合に惨敗し、流石に落ち込み、気持ちは沈んでいた。



 



疲労困憊で何もやる気がおきない。



 



ラグビーの試合動画のLINE通知は溜まっていくばかりだ。



 



試合の動画なんか一つもみたくなかった。



 



ただラグビーと隔絶した環境に身を置きたい、そんな気分だった。



 



自分の代で、4部昇格という目標はそれだけ大きなものであった。



 



 



 



 



 



 



 



 



あまりに通知が溜まるものだから、一つ動画をみてみた。



 



さっきまで溜まっていた鬱憤は自然と解消していった。



 



気づけば、試合の全体動画もみている。



 



 



 



 



 



 



 



 



 



この時、初めて自分がいかにラグビーが好きだったかを自覚した。



 



 



 



 



 



 



部に入部した当初は、



本当に嫌いだったラグビーを



こんなにも好きになっているのに驚いた。



 



 



 



思い返してみると、



携帯の写真ホルダーを開いた時はいつも、



 



最初は全く関係ない動画を観ているのに



いつも決まって見返してしまっているのは、



保存しているラグビーの練習・試合動画だ。



 



 



 



 



 



美味しそうなご飯の写真も



綺麗な風景の写真も



大学の講義動画はもちろん、



ラグビー部で過ごした時間を切り取った写真や動画は勝てない。



 



 



 



 



 



紅やさんちゃん家で、食後写真ホルダーを開いてしまったら、



1時間は写真、動画の見せ合い大会が始まる。



 



 



 



 



 



ラグビーも好きで、ラグビー部も大好きであるということを改めて自覚した。



 



 



 



 



 



このような感覚は、ラグビーだからこそ味わえるのではないかと思っている。



 



一つのボールを身体を張りながら前進後進させる。



その異常な営みをチームで必死に行う。



 



だから面白いし、心から好きになれるのではないだろうか。



 



 



 



 



 



自分は、こういう感覚をラグビー部で味わうことができて、本当に幸せだった。



 



 



 



 



 



これは、完全な私見であるが、



 



切磋琢磨し、目標達成に向けて一生懸命共に歩むことで得る楽しさがあるから



サークルではなく、部活として活動する意義があると考えている。



 



 



 



 



 



 



真剣に何かに向き合って、そこでした経験や出会った仲間はかけがえのないものだ。



 



 



 



 



 



 



 



 



大学に入って、何かに一生懸命没頭することができて良かった。



そしてそれがラグビーで本当に良かった。



 



 



 



 



 



最後に



 



ラグビー部を通じて、出会った全ての方々に本当に感謝している。



 



ラグビー部に勧誘してくださり、ラグビーの面白さを教えてくださった先輩方



 



ラグビー部を愛してくれた後輩



 



チーム運営に尽力しているスタッフ



 



共に戦い、笑い合った同期



 



 



 



 



心から感謝してます。



 



 



 



 



 



またグラウンドで会いましょう



 



 



2023/3/29



東京外国語大学ラグビー部94期主将



大林和真

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